最新機械の導入
中小企業が下請けとしてその運命的な産業構造に組み入れられながら、たくましくサバイバルするのは非常に難しいことですが、そのための「知恵」をいかに働かせるかにより、方策は見つかるもと確信しています。 その方法を「開発1号機導入」という方法により、経営の根幹と技術開発・ノウハウ蓄積を積んできました。
典型的な二つの事例をご紹介します。
一つは今や普通の金型加工機械となっています「ワイヤ放電加工機」です。'76年に三菱電機のワイヤ放電加工機を導入することにしました。当時はこの機械は金型加工機としては革命的なマシンとして注目されていました。私たちには、この機械を扱うコンピュータ技術がありませんでしたが、導入後、メーカーさんは手取り足取り本当に完全に使いこなせるまで指導をしていただきました。中小企業が高度技術を手中に収めることはなかなか出来ませんが、 機械の導入に伴って、その使用技術の指導や関連技術の習得は、説明の必要がないほどの付加価値を生んでくれます。メーカーさんは開発初期の機械が、良い評判を得ることは大きなPR効果をもちますし、さらにそのメーカーさんが当社の技術力の宣伝も積極的にしてくれます。
もう一つはCAD/CAMの導入例です。最初オリベッティ発表会に参加して、CAD/CAMの将来性、機能の素晴らしさに一目ぼれしてしまい、その場で 発注すると言う性急さ。ここでもCADのソフトに関して、自前の技術者が育っていませんでした。オリベッティさんは三菱電機さんと同じで懇切親切に指導・ 育成をしてくれました。 このように当社は徹底した新機械・新技術導入戦略により、技術力の蓄積、技術者の育成を実践してきました。